人物の「ジ」

アタリ

原稿用紙

アタリというのは、人物を描く前の下書き、いわば骨組みのようなものです。人体の形を大まかにとらえ、それを簡略化した形で描き表します。人体の形がわからない、という人もいるでしょうが、ポイントさえ押さえれば大丈夫です。

図のように、簡単な丸や線を使って、人の体を頭、体、手足の三つに分けて描きます。ポイントは、体も胸・腹・腰の三つに分けて考えること、手足の関節部などを丸で描いておくこと、そして顔に入ったまっすぐの縦線から体に入る、背骨を意識することです。体の大まかな骨組みを把握することで、走る、座る、その他いろいろな難しいポーズを描きやすくなるのです。

実際にモデルを用いて模写するのが一番の練習ですが、どんなポーズがあるのか調べたい場合に、たとえばこのようなポーズ集を利用するのも手です。
ポーズマニアックス 絵の練習用ポーズモデル
http://www.posemaniacs.com/blog/


いろんなアングルやポーズを参考にできるので、作品の幅もぐっと広がるでしょう。まずはいろんなポーズのアタリをとって練習してみてください。

描き分け

描き分け

漫画を描くにあたって、老若男女いろんなキャラクターが描きたくなると思います。すべて同じような顔ばかりの漫画では、画面がつまらなくなってしまいますね。ここではその中でも、男女の描き分けについて説明します。

簡単に言うと、男性は「直線的で硬い」、女性は「曲線的でやわらかい」イメージを持つことです。例えば図に示した先ほどのアタリで描いた骨格ですが、なんとなくこれだけでどちらが男性か女性かがわかるのではないでしょうか。男性の方は肩幅が広くがに股で、胸や腰を四角や三角などの角ばった図形で描いています。女性は逆に内股で、胸や腰には丸を用いています。外の輪郭は曲線になっているのがわかると思います。

そしてその下の顔ですが、同じく男性はあごを少し角ばらせ、目を細くして眉をつり上げ格好よくなることを意識しています。女性はあご、目、肩などを丸くして、全体的にやさしくかわいらしい印象になるよう仕上げました。

まだまだ男女の体の違いはたくさんありますが、これだけ覚えておくだけでも区別がはっきりしてきますよ。

手

手は人体の中でも特別難しい構造をしています。アタリの取り方は人によって様々ですが、わたしは手を三つのパーツに分解して描いています。 まずは手のひらになる五角形、指になる五本の棒、そして親指にくっつく小さな三角形の三つです。
手のひらになる五角形は関節である手首とつながるので底が丸く、全体的に厚みがあります。指になる棒にはこれまた関節を示す三つの丸を描いておきます。この丸い部分で指は曲がっています。三角形のパーツは親指にくっついている筋肉の部分です。ここは独自の動き方をするため、分けて考えておくと便利です。

手は見る角度を変えるだけでも一気に形がわかりづらくなります。このようなパーツの分け方、アタリを覚えておけば、人間の体の中でも最も表情が現れると言われる手を描きこなせるようになるでしょう。
自分の手を見ながら描くのも効果的ですよ。

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