背景の「ハ」

パース

漫画においては人物ばかり注目されがちですが、背景も重要な役割を果たします。
少し難しいですが覚えれば作品の幅も広がりますし、突き詰めれば奥の深い分野です。今回は重要な用語であるパースについて簡単に説明します。
パースというのは、つまり遠近法のことです。近くのものは大きく見え、遠くのものは小さく見える法則のことですね。今回はパースの中でも簡単な一点パースについて説明しましょう。

一点パースの描き方

一点パース

1描き手の視点の先にある水平線(赤い線です。アイラインともいいます)を決めます。
2ライン上に点を一つとります。これを消失点(真ん中の青い点です)といいます。
すべての壁や建物、景色などの線はこの点を中心にしています。奥行きを出すなど複雑な構図になればなるほど、
増えていきます。
3そしてその点を中心にして、線を集めて引いていきます。縦の線はアイラインに垂直になります。

こうすると、図のような部屋の内部を描くことができます。(なんだか脱出ゲームに使う部屋みたいですね)
点線で表している部分を見てもらえるとわかるように、時計以外のすべてのものはこの消失点に集中しています。また、カーペットの短辺は水平線に平行ですし、窓の枠やドアの長辺などはすべてこれに垂直になっています。一点パースの際はここにも気をつけて描きましょう。
少し難しい考え方ですが、はじめはこうした簡単なものから練習するのがいいですよ。

写真で背景の練習

それでもやはり「一から背景を描くのは難しい!」と感じる人が多いと思います。そんなときは、実際の風景写真や画像を参考にして描くといいですよ。下の漫画の一コマは、それぞれ写真をトレース(裏から透かしてうつすことです)しながら描いたものです。
実はどの風景もわたしの住んでいる箕面市なんです。箕面市にお住まいの方、どこだかわかるでしょうか・・・?

写真で背景の練習1

答えは・・・箕面西公園です(分かりにくいですね笑)。
イラストは今考えている漫画の一コマです。小学生の男の子を主人公にしているので、彼の一番の遊び場ということでモチーフにしています。この場面はこの男の子たちが悩んでいるシーンの資料として使っています。
ここは見せ場の一つなので、わたしが昔お気に入りだったブランコをメインに使っています。

そして次は、市内某所のおしゃれな住宅です。

写真で背景の練習2

こちら、市内某所のおしゃれな住宅です。
さっき言った漫画のストーリーなんですが、主人公の家族をおしゃれな住宅に住まわせたかったのです。散歩がてらちょうどお見かけしたこちらのイメーがまさにぴったりだったので、使わせてもらうことにしました。
ネット検索すると、この家のことが詳しく書かれたサイトを見つけたので参考にさせていただきました。このサイトさんには、なんと内装の資料まであったのでありがたく使わせていただいてます!
(サイト管理者の男性営業マンさん、ありがとうございます!何か問題あれば削除します!)

写真で背景の練習3

わたしは背景を一から描くのが苦手なので、背景を描くときはもっぱらこのトレース手法を使っています。いわゆる模写になりますが、全く精密に仕上げる必要はありませんし、まず一枚仕上げることで練習にもなります。
皆さんもぜひやってみてください。

Copyright(C) マンガのキジハコ All Rights Reserved.